二世帯住宅の間取り

かつて一般的と言われた夫婦＋子供２人の家族構成は、すでに全体の３割弱。夫婦２人はもちろんのこと、１人住まいも増え、４人家族という世帯モデルはいつのまにか「標準」ではなくなり、家族構成は多様化しています。

いま二世帯住宅が増えているのは、昔からある住まい方の「当たり前の形態」に戻りつつあるだけなのかもしれません。当たり前の形態とは、複数の世帯がともに暮らすということです。同居には生活時間帯の違いやプライバシーの問題など、難しい点もありますが、それを補って余りあるほどの魅力が、二世帯住宅にはあるということです。


物にあふれた豊かな時代に育った現代の子世帯夫婦は、自分の子供にお金では買えない本当の豊かさを実感できる暮らしをさせてあげたいと願っています。自分たちが親から受け継げなかった習わしや躾を子供には伝えておきたいという反省も少なからずあります。


現代の二世帯住宅は「孫育て」という点でも注目されていますが、それは「伝承」の重要性に多くの人たちが気づき始めているからでしょう。伝承は一緒に暮らすことによって、はじめて得られるものなのです。これまで自由気ままに暮らしてきた子世帯が、現実に親世帯と一緒に住むとなると、いくつもの心配事を抱えるはずです。習慣の違い、感覚の違いが否めない親世帯とうまくやっていけるだろうかという不安です。


とはいえ、親はいつの間にか老い、身体は衰弱し、介護が必要になる場合もあるでしょう。いつまでも離れて暮らし、「知らぬ存ぜぬ」でいられるものではありません。互いの違いを理解しつつ一緒に暮らしてく方法を模索することが良いのではと思われます。


また、子世帯が単独でマイホームを取得するには、高額な土地の購入、重くのしかかる住宅ローン、これとともに、子どもの教育資金も蓄えていかなければなりません。このとき二世帯う歌くという選択肢は、経済性においても若い世代の後押しとなります。
二世帯住宅はいわば、親と子と孫の橋渡しをする器ともいえるのです。