二世帯と単世帯の建築価格比
親世帯と子世帯が別々に家を建てる場合と、一緒に住むことを決めて、両親の住まいを二世帯住宅に建て替える場合とでは、どれくらいコスト差が生じるのでしょうか。
別々に家を建てるケースで、親世帯の家の建替えと子世帯の新築をそれぞれ計画したとします。親世帯の建替えは建築費用だけでなく既存の建物の解体費もかかります。子世帯の新築はまず土地を購入しなければなりません。この費用を合算すると、25坪の家2軒分の建築費用と既存の家の解体費で、合計4,400万円、さらに土地代も加わります。
では、二世帯住宅の場合はどうでしょうか。玄関を共有する45坪程度のケースで考えてみます。建築費は給排水や水廻りの設備が2つずつになるので、坪単価は単世帯住宅より10%程度上がります。結果、建築費は4,200万円です。子世帯が土地を所有しているなら二世帯住宅の経済的なメリットは少なく思えます。ただし、問題は竣工後です。建ててからの維持コストが大きく異なってきます。
維持コストは二世帯がお得!
電気、水道、ガスといった光熱費などの契約は1つと2つとでは毎月の基本料金が変わります。約3,200円として、10年で約40万円もの差になります。固定資産税は評価額に年約30万円の差があったとすると、10年で300万円の差額が生まれます。
住まいの維持費としては、年に約20万円程度のメンテナンス費を考えておく必要があります。以上を細かく合算していくと、10年間に発生する維持コストの差額は540万円です。日々の維持コストを計算に加えると、二世帯住宅のほうが圧倒的にお得だとわかります。
子世帯のメリット
二世帯住宅のいちばんの経済性は、税金や光熱費もさることながら、子世帯にとっては新たな土地の購入費がかからないことが最大のメリットでしょう。親世帯が所有する「実家」の敷地に二世帯住宅を建てることができれば、それは子世帯にとって、とても幸せなことです。