
家を建てるとき、一般的に使われる標準寸法は91cmかける182cmです。これで建てた家は、車イスや介護者の手を借りなければ生活できなくなったとき、廊下の幅が狭かったり、車イスの方向転換が出来ないということが生じます。ところが子どもの成長期には体を横にして通ってもいいから子ども部屋が欲しい、収納スペースが欲しいというのが実情です。
家族の年齢構成や家族数、家族の1人ひとりが社会のどこに属するかによって、家に求めることが違ってきます。ぎりぎりのスペースの中でどこに優先順位を置くかが、間取りを決める要因になるのです。最初から必要が生じたときに対応できるようなつくりにする、これが大切なことです。
そのために、建物を支えている構造部分と、取り壊しても差し支えない壁や柱をはっきりさせておきます。できるだけ大きな空間構成にして、可動間仕切りや家具による間仕切りで住みこなしていくような設計をしましょう。

