「上下割り」と「縦割り」
分離型の二世帯住宅には、層の上下で分ける「上下割り」、左右で縦に分ける「縦割り」の2つの分け方がある。「縦割りは階段が2つになるなど、建設費がほぼ2軒分かかるため、一般には「上下割り」が圧倒的に多い。
とはいえ、独立性が高く音の問題も解決しやすい「縦割り」は、賃貸スペースに転用しやすいなどメリットも多いため、十分検討に値する形式といえる。
地階を利用して3層にする
2層ではスペースが足りないケースには、3層、4層の二世帯住宅を考えたい。地上は2階建てで地下を利用し、3層にすると容積率内でまるまる1層分がつくれることになる。
採光も可能で、設計の工夫によっては地下とは思えない快適な空間にすることもできる。
しかし、地階を作る工事費は地上の3倍ほどかかるので、コストとスペースのどちらを優先するのか、十分考慮する必要がある。
3階建ての分け方
3階建てにする場合、二世帯の区分をどこにするかに悩む。親世帯のスペースは1階のほうが暮らしやすいが、建物が密集する都市部では1階に日当たりや風通しを期待できない。
3階部分は、採光・通風に恵まれるが階段の上がり下がりが負担になる。子世帯スペースが3階を使用する場合も、相対的に上下の移動が増えるので、日常の家事動線は十分に考えておく必要がある。
1階に親世帯を設ける場合は、階段室に吹抜けを設けたり、天井の一部を開けたりして光の道をつくり、明るさを得る工夫を行うのがよいだろう。